本当は違う本を紹介するつもりでしたが、私がルーカスのことで一生懸命になっている間に作家の船戸与一さんが亡くなられていたというのを知って、哀悼の意を込めて船戸与一さんが書いた犬の小説を紹介します。
「黄金の眼」というタイトルの短編で蝕みの果実という短編集に含まれています。ロッキー山脈で山岳レンジャーとして働く日本人男性とバッキーという黄色い眼のシェパードの話です。黄色い眼をしたシェパードは、質が悪いと嫌われるらしく、それに加えてぐうたらなバッキーは山岳救助犬として役立たずと劣等扱いされていました。そんなバッキーのことを最後に「あれは黄色い眼なんかしてなかった。黄金の眼を持ってたよ。」と主人公に言わせるバッキーを描いた作品ですね。
人は人を裏切ったりするけど、犬が飼い主を裏切ることは決してないし、犬の忠実さとか勇敢なところ等がうまく描かれています。ちなみに私は読んで涙しましたw この短編は、元々1988年に小説新潮に掲載されていたものが短編集に収められています。歳がバレるかもしれないけど、私が最初に読んだのは小説新潮に掲載されていたものでしたw
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