ルーカスが罹患したのは、消化器型リンパ腫です。犬のリンパ腫のうち5〜7%を占めるそうです。白血球のうちのリンパ球か腫瘍化する血液のがんです。全身を循環するため様々な臓器に浸潤・転移する可能性があります。
腫瘍化した細胞によってB細胞性とT細胞性に分類されます。ルーカスの場合は、T細胞性のリンパ腫で抗がん剤治療の反応が悪いことが知られています。
消化器に病変ができるため栄養の吸収が低下して食欲不振、嘔吐、下痢、血便といった一般的な消化器の疾病で見られるのと同様の症状が出ます。消化器型リンパ腫は、他のリンパ腫と比較して一般的に寛解率が低くや中央生存期間つまり余命が短いとされています。
現在の獣医学におけるがんの標準治療は、
・物理切除
・放射線治療
・抗がん剤治療
になりますが、リンパ腫の場合は基本的に抗がん剤治療の選択肢しかありません。部位と腫瘍の大きさによっては物理切除が可能な場合もありますが、切除しても全ての腫瘍細胞が無くなるわけではないため、切除後に抗がん剤治療が行われます。
悪性リンパ腫に対しての治療は根治を目指すものではなく緩和治療として行われます。つまり基本的には予後不良ということです。
上に記載した通り、現在の動物病院での治療では救うことのできない種類の病気です。しかしながら世の中には標準治療以外のがんに対抗する方法がいくつも存在して多くの成功事例があります。個人的には、早期に発見してそうした処置を速やかに施すことで救うこともできるのではないかと考えています。
ルーカスの場合は、罹患したのが難しい種類のものであったのも確かなのですが、飼い主の自分がこうした疾病に備えていて初期症状の段階で対処していれば救えたのではないかと今でも悔やんでいます。そもそも自分の日常的なケアで発病も防げたかもしれない、ルーカスが命を落とす必要はなかったのではないかとも考えていて悔やんでも悔やみきれない気持ちを拭うことができません。
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